青森ねぶたの歴史とグルメ
見どころ満載の青森県
青森県の人口は約120万人程で、 日本の総人口の約1%を占めています。県の面積は約9,644km2で、国土の約2.5%にあたります。県人口の52%は青森市、八戸市、弘前市に集中しています。
世界遺産白神山地、十和田湖、八甲田山、岩木山、下北半島の恐山など、多くの自然と観光スポットに恵まれた魅力がたくさんある県です。
全国有数の農業県にもなっていて、リンゴ、ナガイモ、ニンニク、スチューベンが全国1位の生産量です。また、漁業の方では、八戸漁港にて、サバ、イカの水揚げ量が日本1位で、全国各地に出荷されています。
夏の祭り行事がとても盛んで、青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、黒石ねぷた祭り、五所川原立佞武多、八戸三社大祭などが有名です。
「青森」という地名は、江戸時代前期の1624年に現在の青森市の場所に、港町の建設を始めた事がキッカケで、青森市本町付近に海上からの目印になる「青い森」(現在は消失)があった事が由来とされています。
青森は県内全域が豪雪地帯に指定されていて、一部地域は特別豪雪地帯に指定されています。また、青森市は、県庁所在地都市では唯一、市域全てが特別豪雪地帯に指定されているほど「雪が多い町」です。
昨年には、降雪量が多すぎて、市街の雪の処理が追い付かず「特別豪雪対策本部」が設置されたりしていました。
「青森ねぶた」祭りとは?
青森といえば「青森ねぶた祭」が有名です。1980年には国の重要無形民俗文化財に認定されました。
毎年、「8月2-7日」に開催されていて、「1日」には前夜祭、「2日-6日」が夜間運行、「7日」は昼間運行となっていて、夜には海上運行と花火大会が催されます。開催にかかる費用は、約2億2000万ほどだそうです。
明治時代に入ってから青森ねぶたは大型化して、当時は、高さ約二十mのねぶたを百人で担いだといわれています。
青森ねぶたには大型ねぶた、子供ねぶた、地域ねぶたがあります。昔は雨天中止になる事もありましたが、現在は、雨天でもビニールを被せて運行する事が多いです。
強風によりビニールを飛ばされてしまうこともあり、その場合は祭り終了後に修復しているそうです。
たまに、剣とか槍の先っぽがビニールを突き破ってしまう事もあるとか。。。
「ねぶた祭」の起源
ねぶた祭の起源は、七夕祭りの灯籠流しの変形だと言われています。「ねぶた」という名前は、「ねむりながし」の眠りが「ねぶた」に転訛したものと考えられています。
青森ねぶた祭の楽しみの一つに、ハネトがあります。ねぶたの運行に合わせて、祭りの衣装を着たハネト達が、「ラセラーラセラー」の掛け声と共に飛び跳ねます。
男性とか女性とか、何歳とか、どこから来たとか全く関係なく、祭りに参加している人達皆で、体力尽きるまで盛り上がります。
この時期限定で、臨時のフリーキャンプサイトを開設していて、全国から多くのハネト達が集まり、キャンプをしながら祭りに参加しています。関連記事:
http://happytouring.jp/aomorinebuta-camp/
「金魚ねぶた」 なぜねぶた祭に?
「ねぶた祭」で忘れてはいけないのが「金魚ねぶた」です。なぜ、ねぶた祭に金魚ねぶたなのでしょうか?
理由は諸説ありますが、江戸時代に、津軽錦という金魚を飼育して、事業化させようと試みたが、上手くはいかなかった事が背景にあります。
その現物を見たいという思いが、形として作り出されたのが「金魚ねぶた」になったと考えられています。
地元の人であれば、小学生の頃に工作の授業で、誰もが必ず1度は作ったことがあるくらい、身近な存在の金魚ねぶたです。
ねぶた祭の黒歴史「カラス族」
1986年頃から、カラス族が現れ始めてきました。カラス族とは、 ハネトの正式な衣装ではなく、黒装束などで参加して、祭りの運営を妨害する人たちの事を言います。
それが、カラスの様に見えると言うことで「カラス族」と言われるようになりました。
当初は、そこまで問題視されてはいませんでしたが、平成に入ると暴走族などがグループの中心になり、次第に悪質で凶暴な集団になっていきました。
この問題はマスコミ等で取り上げられましたが、それが全国からカラス族の集団を呼び集めて逆効果になりました。
1996年に青森市はカラス族を監視、統制するためにカラス族を1か所にまとめてねぶたを運行するという対策を行いました。しかしこれはカラス族を肯定する事になり、逆にカラス族を増長させるという結果になりました。
排除政策の結果、徐々にカラス族は減っていきました。近年では、正装である、”たすき”をかけずに祭りに参加する女性が増加していて、まるで振袖のような格好から「クリオネ族」と呼ばれるものが登場しています。
ねぶたの家「ワラッセ」とは
青森市文化観光交流施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」はねぶたに関する情報を体感することができる観光施設です。
昔は、は青森市の山方にある「ねぶたの里」と呼ばれる観光地があったのですが、里と言うだけあって、冬は雪で覆われてしまうので、経営と管理の問題の点もあり閉園してしまいました。
ワラッセの由来は
「多くの人々に愛され、末永く、親しまれる」
をコンセプトにした愛称を一般募集し、採用されたのが「ワ・ラッセ」だったそうです。
ちなみに、施設内では体験イベントが多く行わていて、ねぶた囃子を体験したり、ミニねぶたを作ったりできるので、個人的にはかなりおすすめです。
設計は世界的にも有名なオランダ人建築家フランク・ラ・リヴィエレ氏がデザインしました。独創的なデザインの建物が、当時の青森市にはなかったので、ワラッセが出来たことによって、青森市のウォーターフロントは全く違ったものになったと思います。
〈ねぶたの家ワ・ラッセ ミュージアム内〉
◇営業時間 9:00-19:00(5月-8月) 9:00-18:00 (9月-4月)
◇利用料金 大人600円 高校生450円 小中学生250円
◇お土産売場・レストランの営業時間はこちら
◇住所 青森市安方1-1-1
◇電話番号 017-752-1311
ねぶたに魂を込める「ねぶた小屋と囃子」
5月下旬ごろになると、アスパムがある青い海公園内には、約22台分の製作小屋が立ち並びます。この場所で祭りが始まるまでに、出陣する大型ねぶた達が製作されます。
この場所でねぶた絵師たちが、自らの魂を込めた「ねぶた」を製作しています。 付近を通ると、夜の9時ぐらいまで電灯が付いているので、遅い時間になるまで作業し続けている事が分かります。
ねぶた祭の開催が近づいてくると、ねぶた小屋周辺では、夏まつりイベントが毎週のように行わていて、本番に向けて一気に盛り上げていきます。
また、7月1日―8月6日まで、ねぶた小屋付近で、ねぶたのガイドを無料で行っていますので、ぜひ一度利用してみると良いと思います。
祭りの本番2カ月から3カ月前になると、夕方、市内の様々な場所から、太鼓、笛、鐘の音が聞こえてきます。これは祭りに参加する団体が、ねぶた囃子を練習している音です。
ねぶた囃子に参加する団体は、仕事終わりや、土日を返上して練習していて、祭りに掛ける情熱が伝わってきます。
地元の子供たちは、小さな頃からねぶた祭りに関わる事によって、大人になった時にねぶたに対する愛情を持つことが出来ます。ある意味、ねぶたの英才教育を受けて育ってきています。
ご当地土産「昆布羊羹」
青森市のご当地土産の1つに甘精堂で作っている「昆布羊羹」があります。
甘精堂本店は1891年に創業しました。創業から100年以上経った老舗で、昆布を使用した甘い羊羹は一見すると意外性がありますが、昆布の香りがほんのり感じられる味わい深い羊羹です。
最近は甘さが強すぎない塩味のお菓子が増えていますが、天然の潮の香りのする昆布羊羹はいち早くそのバランスの良さに気づき、製造を始めました。
昆布羊羹は、豊富に獲れる海の恵みである昆布を使用した青森らしいお菓子を作りたい、と考えたことがきっかけで作られ、昆布をパウダー状にして羊羹に練りこんでいます。
甘さの中に、潮の香りがほんの少し感じられるあっさりとした甘さが魅力です。昆布を含む海藻類は、ビタミンやミネラルが沢山含まれており、栄養価が高いことで知られています。 引用:WEBSITE
他には、青森の定番土産が5品も詰まったお試しセットが必見です。青森でお土産を買い忘れた方におすすめです。
〈甘精堂 本店〉
◇営業時間 9:30-18:30
◇定休日 年中無休(元旦のみ休み)
◇住所 青森市新町1-13-21
◇電話番号 017-722-3740
廃船になった「八甲田丸」
八甲田丸は1964年に竣工し、青函トンネルが出来るまで、青森と函館を海路で結ぶ重要な交通機関を担っていました。
第1船(津軽丸)と第3船(松前丸)が、18年間の耐用年数を経て、1982年に引退したのに対して、八甲田丸は延命工事を受け、1988年3月13日まで、歴代の青函連絡船では最長となる、23年7ヵ月間運航されていました。
青函トンネル開業により青函連絡船が廃止になった後、青森の記念碑にしようと、1990年に青函航路の花形だった八甲田丸を、現役だった時に近い状態で海上博物館として利用する事になりました。
立体映像や模型を使って青函航路の歴史が一目でわかるように工夫され、運航のシミュレーションゲームやパソコンクイズなどがあります。
2012年には、解体されることになった羊蹄丸に展示されていた「青森の街を再現した原寸大ジオラマ、”青函ワールド”」が八甲田丸に移設され、建物や商品といった大道具や小道具、人形などの展示が加わりました。
視察に行った時は、観光客の方が少なくて、ほぼ貸切に近い状態で観る事が出来ました。ただ、人形の数が多くてなかなか異様な雰因気を感じたので、お越しの際は2人以上で行くと良いと思います。
また八甲田丸が停泊している岸壁には、石川さゆりさんのヒット曲「津軽海峡冬景色」のメロディが流れる歌謡碑が設置されています。
〈青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸〉
◇営業時間 9:00-18:00(夏季) 9:00-16:30(冬季)
◇定休日 夏季無し(4月1日-10月31日)冬季(毎週月曜日)
◇利用料金 大人500円 高校生300円 中学生300円 小学生100円
◇住所 青森市柳川一丁目112-15地先
◇電話番号 017-735-8150
青森市街の歴史を案内「あおもり街てく」
青森の駅前にある観光案内所では、青森駅の周辺を無料で案内してくれる「街てく」というものがあります。
風景コース、味とショッピングコース、歴史と文化コースの3つのコースから選ぶことが出来ます。参加するには事前予約が必要ですが、このコースを3種類全て歩けば、青森に関する事のほとんどは、網羅できると思います。
また、街てくガイドの基本的な案内コースや、エピソードは決まっていますが、ガイドさんによっては、小ネタを持っていたり、その人が経験した地元話も聞くことが出来るので、ローカルな青森を知ることが出来ると思います。
ちなみに、新町通りに何箇所か設置されている水飲み手洗い場は、1984年に厚生労働省が催した利き水会で、「日本一美味しい水」選ばれた記念に、当時の市長が考えて設置したものだそうです。
〈青森街てく 青森観光情報センター〉
◇営業時間 8:30-17:00
◇ガイドツアー 10:00出発・13:30出発 1日2回
◇実施日 金・土・日・祝日
◇参加費 無料
◇住所 青森県青森市新町1丁目1−25
◇電話番号 017-723-4670
他には何があるの? 「海の日」発祥の地
青森が「海の日」発祥の地だって知っていましたか?
1876年の7月16日に明治天皇が、国の重要文化財でもある「明治丸」に乗って青森港を出港して、7月20日に横浜港に帰港したことが「海の記念日」と関係しているそうです。
1996年に「海の日」は7月20日に制定されました。これは1941年に定められた「海の記念日」を祝日に制定したものだそうです。
青森市がどう関係しているのかは、すいませんよく分かりませんでした。
青い海公園の端にある聖徳公園。そこにも変わった形をしたモニュメントがあります。
これは明治天皇が「明治丸」で青森から渡海、横浜へ帰還したのを記念して建てられた記念碑「御渡海記念碑」になります。
ローマにある「真実の口」の様に、ライオンの口に手を入れて写真を撮る人達が多くいるそうで、青森のインスタ映えを狙うならこの場所が良いと思います。
<御渡海記念碑> 住所:青森市安方2-14-23
穴場グルメ 「長尾の中華そば」
青森県民で知らない人はいないだろうと思いますが、ご当地グルメは「長尾の中華そば」です。これは青森ラーメン定番の煮干し出汁のラーメンです。
通常のラーメンと違って煮干しの出汁がメインで効いていて、かなり癖になります。最近では煮干し出汁をかなり濃いスープにした「濃い煮干し」も人気で若い人達に大人気です。
あのZOZOTOWNの前澤さんがツイッターで呟いたことにより、「長尾の中華そば」は全国的にも一気に有名になりました。お土産屋にも、インスタントラーメンやカップラーメンが置いてあるので、ぜひ試して頂ければと思います。
青森市で最近流行っている、朝7時から営業する「朝ラー」もやってます。
〈長尾中華そば 青森駅前店〉
◇営業時間 7:00-21:00
◇定休日 月曜日(祝日の場合は火曜日)
◇住所 青森県青森市柳川1丁目2-3 青森駅ビル・ラビナP1F
◇電話番号 017-773-3715
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ねぶた祭2019 案内情報
青森ねぶた祭 公式情報はこちらから→【https://www.nebuta.jp/】
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