青森竜飛岬の歴史とグルメ

青森竜飛岬の歴史とグルメ

津軽半島最北端!「青森県竜飛崎」の穴場スポット

津軽半島最北端!津軽国定公園「青森県竜飛崎」の穴場スポット
石川さゆり歌謡碑から見える景色 函館も見える

竜飛崎(たっぴざき)は、青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜にある、津軽半島の最北端、津軽海峡に突き出た岬です。
津軽国定公園の一部。(龍飛崎と表記することもあります)
名前はアイヌ語のタム・パ(tam-pa 刀の上端)からの転訛(てんか)で、「突き出た地」の意味だという説があり、タムパを”龍が飛ぶ”と当て字したといわれています。

出典元:wikipedia

周辺は灯台を中心に遊歩道となっており、天気のよい日には津軽海峡を挟んだ北海道の松前半島や、海峡を行き交う船舶が見渡せます。また、渡り鳥の飛行ルートとしても重要であり、観察のために鳥類研究家が双眼鏡を構えている姿も多くみられます。

海から1日中強い風が吹き付ける土地柄で、冬季でも降った雪が風に飛ばされ、深く積雪することは少なく、その強風を利用して、風力発電が行われていた時期があり、風車の地上からの高さは30m、プロペラの翼直径は28mにもなります。

※発電基地竜飛ウィンドパークは2007年、老朽化に伴い停止中。 2010年頃まで地吹雪体験ツアーが催されていたが、現在は行っていない。周辺施設のほとんどが冬季は閉館しています。


北海道の白神岬とは津軽海峡を挟んで19.5キロメートルの距離があり、地下を青函トンネルが通ります。

青函トンネル「 構想から64年、町を作った大工事」

構想から64年、町を作った青函トンネル工事
奥谷旅館に展示されているポスター

津軽海峡の海底下約100mの地中を穿って設けられたトンネルで、全長53.85 kmは交通機関用のトンネルとしては東洋一です。全長は約53.9kmであることからゾーン539の愛称があったそうです。


交通機関用トンネルとしては世界2位の長さであり、海底トンネルおよび狭軌のトンネルとしては世界一の長さと深さを持つ交通機関用トンネルです。 ※1988年3月13日に開通してから2016年6月1日にスイスのゴッタルドベーストンネルが開通するまでは、世界一の長さを持つ交通機関用トンネルでした。

※海底部の総距離では英仏海峡トンネルが世界一の長さです。青函トンネルの着工開始から完成までの全工程における殉職者が34名にものぼり、龍飛崎の丘には殉職者を慰霊する碑が建っています。


1923年の構想から1987年の完成まで、およそ64年間にも及ぶ、大規模工事でした。

構想から64年、町を作った青函トンネル工事
殉職者慰霊碑


青函トンネルにまつわるストーリーだけでも、本1冊以上にはなると思うので、このタイミングではそこまで詳しくは書きませんが、高倉健さん主演の「海峡」という映画は、この龍飛崎での青函トンネル工事が舞台となっています。

撮影も龍飛崎で行われていて、エキストラの方も地元の人たちです。私はまだ見ていませんが、この映画を見れば、概要を知ることが出来ると思います。あとは、NHK放送のプロジェクトXでも青函トンネル工事が何度も放送されています。

現在の龍飛崎周辺は、営業していない宿屋、食事処が多いですが工事期間中にはたくさんの関係者が、龍飛崎に住んでいて、宿泊施設以外にも、学校、病院などがあり、現在とは少し違った街の風景があったのだと思います。


ちなみに、青函トンネルの中央部は、公海下の建造物ということで、開業前に、税金をかけるのか、どの自治体のものか、という問題があったそうですが、結局各自治体へ編入され、固定資産税もそれに応じて課税されることとなったそうです。

田舎珍百景「日本で唯一の階段国道」

田舎珍百景「日本で唯一の階段国道」

1974年に国道に指定。全長388.2m。362段。標高差70m、歩行者専用。
冬季は凍結して危険な為、閉鎖中。


竜飛崎の灯台に向かう途中にある観光スポット。気を付けていない通り過ぎてしまいそうになります。国道として指定された経緯は諸説あるらしく、かつて林道の階段であったが、これが後の県道に昇格して、339号線が国道指定された際に、役人が現地を見ずに地図上のみで国道に指定したとか

その後、名物として残すために階段が整備されたそうです。何度か車道として改築整備する話があったそうですが、地元住民の意向もあり、結局、手すりを付けるなどして、全国的にも珍しい階段国道として観光名所になりました。


階段の入り口は人気の写真スポットになっています。

「津軽海峡冬景色歌謡碑」 なぜ2番から?

「津軽海峡冬景色歌謡碑」 なぜ2番から?
歌謡碑 ※音量注意

歌碑の下にあるボタンを押すと、演歌歌手の石川さゆりさんが歌った『津軽海峡・冬景色』のワンコーラス(2番)が流れます。


なぜ2番からなのか、それはまさに竜飛崎が舞台となっていて、この場所に立って、この歌を聴くと歌詞の意味、深さをより理解しやすくなる為です。竜飛崎は遮る壁もなく常に強風が吹いていて、歌謡碑の前には津軽海峡が大きく広がります。

風の音が胸をゆする泣けとばかりに~」冬季、この場所に行って、聞いて下さい。色々な意味で涙出ると思います。作詞は歌謡界の巨人といわれた阿久悠さん。石川さゆりさんは15歳でデビューしてから、4年間ヒット曲に恵まれませんでした。その後、この「津軽海峡冬景色」で大ブレイクします。

歌謡碑の手前には、赤いボタンがあり、そのボタンを押すと曲がスタートします。※かなり音量が大きいので覚悟が必要です。

竜飛崎を訪れる人のほとんどが、この歌謡碑を目的にしています。

未体験!世界一長い海底トンネル「道の駅みんまや」

未体験!世界一長い海底トンネル「道の駅みんまや」
冬季11月から4月上旬までは閉館中

道の駅と併設する青函トンネル記念館は1988年(昭和63年)3月11日に完成しました。


青函トンネル工事の歴史と構造などを映像で分かりやすく紹介されています。また、ケーブルカーで海底下140mまで降りていく坑道散策ツアーを体験することが出来ます。

所要時間は45分間。地上からケーブルカーに乗り、海底140mまで降りていきます。海底駅に到着後、ガイドの案内でトンネル工事の際に、使われていた機械、工具を見ることが出来、当時の大規模な工事の面影を感じることが出来ます。

洞窟内は、意外と開放感があり、歩いていても海底下とは思えないほど、快適です。ただ、夏場でも洞窟内温度は低いので、軽い防寒着は持って行ったほうがいいです。

未体験!世界一長い海底トンネル「道の駅みんまや」
人員運搬車


全長50km以上の海底トンネルを掘るには、大層な最新機械を使っていたと勝手にイメージしていましたが、実際は、人力での作業も多く、工事現場などで
使われるような、手に持ってコンクリートを壊すような道具が置かれていました。

未体験!世界一長い海底トンネル「道の駅みんまや」
破砕したコンクリートを運搬する機械


帰りの地上行きのケーブルカーでは、何も成し遂げた訳ではないのに、とても達成感に溢れた気持ちになることが出来ます。

<道の駅みんまや>
◇営業時間 8:40-17:00 <冬期閉鎖あり>
◇利用料金(海底鉄道) 大人1000円 小人500円
◇住所 青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜99
◇電話番号 0174-38-2301

 

太宰治と龍飛みさきの関係

太宰治と龍飛みさきの関係
太宰治、棟方志功など著名人が宿泊した奥谷旅館

太宰治は作家で本名は津島修治、青森県北津軽郡金木村出身。 竜飛崎と関連が深いのが、これまた青森出身で有名な作家、太宰治です。39歳の時に発表した「人間失格」など、短い創作期間の中で深く魂をゆさぶる作品を発表し続けました。

太宰治と龍飛みさきの関係
小説「津軽」より


小説の「津軽」の中で、龍飛を訪れた時の印象の一説を刻んだ文学碑が道中にあります。外ヶ浜町にはこの他にも吉田松陰、川上三太郎など、多くの碑が残されています。

また、旧奥谷旅館を改修して観光案内所にした「龍飛館」。当時の奥谷旅館には、太宰治(作家)、棟方志功(版画家)、高橋竹山(津軽三味線)など多くの県出身著名人が宿泊したそうです。太宰治が友人と食事をした際に使用されたお膳がそのまま残されていました。

太宰治と龍飛みさきの関係
太宰治が当時食事をした様子がそのまま展示

現在は、それらの貴重な文化遺産や、竜飛にまつわる資料が展示されています。
訪問すると、女将さん?のようなガイドの方が一通り案内してくれます。お土産に、手作りの「龍ねぶた」をもらいました。

太宰治と龍飛みさきの関係
龍ねぶた


聞くところによると、昔は毎年ねぶた祭りの様なお祭りをやっていたが、現在はそれらしいものは行っていないとのことでした。
この地域に新しい建物はあまり無いですが、原風景がそのまま残されていて、太宰治が旅していた頃のような感覚になれると思います。

<観光案内所龍飛館>
◇営業時間 9:00-16:00 ※最終入館15:00 (休館日)毎週水曜日
◇利用料金 無料
◇住所 青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜59−12
◇電話番号 0174-31-8025

「ホテル竜飛」竜飛岬の食事処

癒しの温泉 「ホテル竜飛」 とご当地土産
正面側

高台にある眺めのいい温泉が魅力の宿。浴場はガラス張りになっているので、大浴場と露天風呂からは津軽海峡、天気が良ければ北海道の山なみを一望できます。


露天風呂は特に開放感があり、眼前に広がる津軽海峡を見下ろしながら、強風としばれる寒さを感じて熱い湯に入ることが出来ます。夜も露天風呂をおすすめします。昼間とは違った静かに流れる波の音と漁火の光が幻想的な空間が演出されます。

日帰り温泉も可能で、冬季間も営業しています。泉質はも若干ぬめりがあり、短時間の入浴でも身体が温まりました。竜飛岬で随一の食事処には、やはり地元で獲れた新鮮な海の幸が使われます。津軽海峡で獲れる魚は、脂の乗り、身の締まり、どれをとっても一級品です

癒しの温泉 「ホテル竜飛」 とご当地土産

海鮮丼、アワビ刺し、イカ刺し、ホタテ刺し、また朝食も、地元の食材をたっぷり使った贅沢なメニューになっています。

青森竜飛岬のご当地土産

また、お土産売場には、田舎文から発売している「鶴田町産スチューベンジュース(葡萄)」が置いてあり、観光で来られた方の、ほとんど皆さんが買っていくそうです。もう「青森といえばリンゴ」では無いのかも知れません。※スチューベンとは、青森県鶴田町が全国一位の生産量を誇る葡萄の品種です。詳細はこちら→http://inakamon.jpn.com/morenature.html

※来訪の際には交通状況に注意:日本海ルートを北上する339号線「竜泊ライン」は大雨、台風等の自然災害時で道路が閉鎖となる場合があります。また、339号線は冬期間毎年春まで完全閉鎖となるので、注意が必要です。

<ホテル竜飛>
◇温泉利用時間 11:00-20:00 (受付終了 19:00)
◇利用料金料金 大人500円 小学生まで300円 乳幼児無料
◇泉質 カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉
◇効能 動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病
【療養泉の一般的適応症】神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、
運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、
痔、冷え性、病後快復期、疲労回復、健康増進
住所 青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜54−2
電話番号 0174-38-2011

癒しの温泉 「ホテル竜飛」 とご当地土産
お土産売場ではスチューベンジュースが販売されている

竜飛には何があるの?ありますよ「龍飛産本マグロ」

竜飛には何があるの?竜飛岬にもありますよ「龍飛産本マグロ」
ホテル竜飛の入り口に展示

龍飛マグロとは
龍飛は津軽半島の先端に位置し、暖流と寒流がぶつかるところで非常に潮が早い海域です。三厩マグロ同様、一本釣り漁業によりマグロを釣り上げます。

まぐろの中でも日本近海で獲れる本マグロは最も美味いとされている。中でもたっぷり栄養を摂って冬に獲れる北国のまぐろが最上とされています。津軽海峡で獲れる外ヶ浜町産のまぐろはまさに極上品であり、イベント時にはまぐろの解体ショーが行われています。

龍飛ではヤリイカやイワシを獲る小さな定置網が行われており、9月から11月ころにかけて、アオリイカが水揚げされます。そのアオリイカが網に入るようになると、龍飛マグロの出番です。

アオリイカはイカの王様と言われ、非常に甘味の強いイカです。龍飛の漁師は、そのアオリイカを餌にマグロを釣っているのです。 年や漁期にもよって異なりますが、エサがアオリイカに切り替わると、龍飛の漁師が数多く水揚げしていきます。

竜飛には何があるの?ありますよ「龍飛産本マグロ」
たずな味噌ラーメン

残念ながら、今回はタイミングがあわず、竜飛マグロを食べることが出来ませんでしたが、帰りに函館新幹線の途中駅でもある「奥津軽いまべつ駅」にあるレストランで、この地域で有名な馬肉を使った「たずな味噌ラーメン」を食べました。

<半島ぷらざアスクルレストラン>
◇営業時間 9:00-16:00 ※水曜定休日
◇住所 青森県東津軽郡今別町大川平清川87-16 道の駅いまべつ内
◇電話番号 0174-31-5200

馬肉の独特な味とあっさりした味噌スープがマッチしていて絶品でした。青森の隠された魅力はまだまだありそうです。つづく

龍飛崎への交通アクセス

電車、飛行機の場合は、最寄り駅の奥津軽いまべつ駅まで行き、そこからホテル竜飛さんから出している無料バスを利用するといいと思います。

青森市から出発して、このコースを全て車で回ろうとすると1日は掛かると思います。道中には、記事に乗せていないような小さな”名所”がたくさんあるので是非立ち寄ってもらえればと思います。

住所:青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜 周辺

※冬期間通行止め箇所あり、事前確認必要です。