「十和田湖観光のススメ」歴史とグルメ

「十和田湖観光のススメ」歴史とグルメ

特別名勝天然記念物”十和田湖”とは

青森県十和田市と秋田県鹿角郡小坂町にまたがる湖。最大水深は326.8mあり、日本で3番目の深さです。
十和田湖は典型的な二重カルデラ湖で、特別名勝及び天然記念物に指定されていて、全国的にも有名な観光地になっています。
20万年~5万5千年前に噴火した十和田火山は、その後活動を繰り返し、5万5千年前から1万5千年前にかけて中心部が陥没し、最初のカルデラが形成されました。1万5千年~1万年前には再び火山活動が活発化し、東南岸が噴火。
中山半島と小倉半島のふたつの半島が形成されました。西暦915年に起きた御倉山からの噴火は、過去2000年に日本列島で起きた噴火で最大規模だったとされ
その火山灰は遠く京都まで届いたという記録が残っています。現在、十和田湖は約600m~1000mの高さの外輪山で囲まれ、湖からは奥入瀬川が唯一の流出口になっています。

悲しみの群像「乙女の像」

十和田湖畔休屋の御前ヶ浜に建設された「おとめ像」。彫刻家の高村光太郎氏が製作し1953年秋の完成から60年以上が経っています。
当初は、「自然石を使った記念碑建立」という事で計画されていたそうですが、
当時の民選知事だった津島文治氏が「世界的な景勝地に、ありきたりの石碑では似つかわしくない」と計画を白紙に返し、新構想のための建設準備委員会を発足させました。
委員会ではさまざまな意見が出ましたが、結局、関東大震災復興記念像「悲しみの群像」(被服廠跡)のような芸術作品を据えることに決まりました。

「乙女の像」モデルとなった人物

像は、向かい合う二人の裸形の乙女。
「湖水に写った自分の像を見ているうちに、同じものが向かい合い、見合うなかで深まっていくものがあることを感じた。それで同じものをわざと向かい合わせた」
「二体の背の線を伸ばした三角形が″無限″を表す」
「彫刻は空間を見る。二体の間にできるスキ間に面白味がある」
と、高村光太郎氏はモチーフを語っています。
完成後、「あれは智恵子夫人の顔」といわれるようになったが、
「智恵子だという人があってもいいし、そうでないという人があってもいい。見る人が決めればいい」と光太郎氏は答えています。

青森県十和田湖名産食「ヒメマス」

十和田湖を代表するひめますは、サケ科の淡水魚で、湖で一生を過ごす魚です。
「ひめ」の名のごとく小ぶりで、銀色の体に鮮やかなオレンジの身が特徴です。
比較的綺麗な湖にだけ生息しているため、生で食べても臭みがなく美味です。甘みがあり、舌触りがよく、生食の他に、塩焼きやフライ、天ぷらなどでも楽しむことができます。
また、十和田といえばB級グルメで人気の十和田バラ焼きがあります。牛バラ肉とタマネギを、醤油ベースの甘辛いタレに絡めて鉄板の上で炒める料理です。
一度食べるとクセになり、地元で有名な定番メニューです。

大自然を満喫「奥入瀬渓流散策」

十和田湖から流出する奥入瀬渓流、渓流沿いの遊歩道を散策しながら、リフレッシュするのもお勧めです。
紫明渓、三乱の流れ、石ヶ戸の瀬、石ヶ戸の伝説、阿修羅の流れ、雲井の滝、銚子大滝、子ノ口の水門、たくさんの見どころを持った遊歩道です。周辺には湿った環境を好む植物が多く自生していて、トチノキ、カツラ、サワグルミといった林が流れの両側に広く見られます。
また、クマタカ、イヌワシ、ツキノワグマ、カモシカといった野生動物や森林性の野鳥(シジュウカラ、ゴジュウカラ、アカゲラ、コゲラなど)も生息しています。
十和田名産として売られているハチミツは、このトチノキの花から採取されたものです。
6月の中頃、トチノキが花をつけはじめるころ、養蜂家がミツバチを使って集め始めます。
一般的なのハチミツに比べて若干赤味を帯び、程よい酸味があるのが特徴です。

十和田湖畔温泉街

十和田湖畔を取り囲むように15店ほどの温泉宿泊施設があります。十和田湖で1日遊んだ後の疲れを取ってくれるくつろぎの宿が立ち並んでいます。
始まりは2003年からで、地下936mまでボーリングを実施して源泉を掘り当てました。泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物・炭酸水素泉、源泉温度35℃。
現在は冬期間は閉めている旅館が多いですが、冬物語の時期になるとたくさんの旅行者が、国内、海外から来て賑わうそうです。
個人的にお勧めのお宿は次の通りです。
①ホテル十和田荘≫ http://www.towadaso.co.jp/
②とわだこ賑山亭≫ http://www.shinzantei.co.jp/

奇跡の夜を彩る「十和田湖冬物語」

雪と光の幻想世界をテーマに、約一ヶ月にわたって十和田湖畔で開催される観光イベントです。冬花火、津軽三味線ライブ、冬の奥入瀬渓流散策、乙女の像ライトアップ、1万灯のスノーランプ、ねぶたハネト体験、青森食彩ドーム、十和田湖かまくら、冬の湖上遊覧などのアトラクションがあります。
また20時頃から冬花火も打ち上げられます。青森県の冬季観光の振興を図ろうと、1999年2月に初めて開催されました。

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十和田湖への交通アクセス

青森県十和田市奥瀬十和田湖畔休屋
※ただし、冬時期は近隣の国道102、103、394、454号、
青森県道40号の一部区間が冬季閉鎖や夜間交通規制の対象となるため、来場する際は事前に確認が必要である。